給湯器の交換を検討して最初にぶつかるのが「結局いくらかかるのか分からない」という壁だと思います。ネットで調べると5万円台の広告もあれば30万円を超える例もあって、幅がありすぎますよね。この幅には理由があります。本体のタイプと号数、そして見積もりに何が含まれているか。この3つが分かれば、ご自宅のケースがどのあたりに落ち着くのか、かなり正確に見当が付きます。当店で日々お出ししている見積もりの実感値も交えてご説明します。
先に結論:工事費込みの総額相場
細かい話の前に、目安になる総額を先にお見せします。下の表は「本体+標準工事費+処分費」を含めた、戸建て・マンション共通のおおよその相場です。
| タイプ | 16号 | 20号 | 24号 |
|---|---|---|---|
| 給湯専用(お湯を出すだけ) | 8〜12万円 | 9〜13万円 | 10〜15万円 |
| オート(自動湯はり+追い焚き) | 13〜18万円 | 14〜20万円 | 16〜23万円 |
| フルオート(+自動足し湯・配管洗浄) | 15〜21万円 | 17〜23万円 | 18〜26万円 |
号数はお湯を同時に使える量の目安で、単身〜2人なら16号、2〜4人家族なら20号、シャワーとキッチンを同時に気兼ねなく使いたいご家庭は24号が定番です。当店の場合、いちばんご依頼の多い「20号オートの交換」で総額15万円前後に収まるケースが中心です。最安の給湯専用16号なら工事費込み8.5万円〜でご案内しています。
費用の内訳:何にいくらかかっているのか
総額の中身はおおまかに「本体価格」「標準工事費」「諸経費・処分費」の3つです。比率でいうと本体が6〜7割、工事費が2〜3割、残りが諸経費というのが一般的な構成です。
本体価格はメーカー定価から大きく値引きされて流通しています。定価30万円台の機種が実売10万円台前半、ということも普通にあります。だから「定価の何%引きか」より、工事費まで含めた総額で比べるのが正解です。
標準工事費には、既存給湯器の取り外し、新しい給湯器の設置、ガス管・給水給湯管・追い焚き配管の接続、リモコン交換、点火試験までが含まれるのが普通です。ここに何が含まれているかが業者によって微妙に違うので、後述の「見積書の見方」で確認ポイントをお伝えします。
相場より高くなるケース・追加費用が出るケース
同じ機種でも、設置状況によっては標準工事費に追加が発生します。事前に知っておくと見積もりの席で慌てません。
よくあるのは次のようなケースです。①設置場所の変更や配管の延長が必要(数千円〜2万円程度)。②高所やベランダの壁掛けで足場や2人作業が必要。③配管カバーや据置台の交換が必要(劣化していると再利用できません)。④号数アップに伴いガス管の口径変更が必要。⑤マンションのPS(パイプスペース)設置で専用の排気カバーが必要。
当店では現地調査かお写真の確認の段階で追加の有無を確定させて、工事当日の「聞いていない追加請求」が出ないようにしています。逆に言うと、現地も写真も見ずに出てきた金額は、まだ動く可能性がある数字だと思っておいてください。
見積書はここを見る:3つの確認ポイント
複数社の見積もりを並べるとき、総額の安さだけで選ぶと失敗しやすいです。次の3点をそろえて比べてください。
①機種の品番が明記されているか。「20号オート一式」のような書き方だと、どのメーカーのどのグレードか分かりません。品番があれば実売価格も保証内容も調べられます。②工事費に何が含まれるか。処分費・出張費・リモコン代が「別途」になっていて、総額では他社より高かったというのは本当によくあるパターンです。③保証が本体・工事それぞれ何年付くか。本体はメーカー保証に加えて有償延長(8〜10年)を付けられることが多く、工事保証は業者独自です。当店は工事保証を標準でお付けしています。
この3点がそろった見積書を出してくれる業者なら、金額の高い安い以前に、工事後の対応もまず安心と考えていいと思います。
費用を抑える現実的なコツ
最後に、品質を落とさずに費用を抑える方法をいくつか。
まず、壊れる前に動くことです。完全に故障してからだと「今日お湯が使えない」状態での駆け込みになり、在庫がある機種から選ぶしかなく、価格交渉の余地もなくなります。10年を超えた給湯器なら、動いているうちに見積もりだけ取っておくのが結局いちばん安く済みます。
次に、必要以上のグレードにしないこと。追い焚きを使わないご家庭なら給湯専用で十分ですし、フルオートとオートの機能差(自動足し湯・退水時の配管洗浄)に2〜3万円の差額の価値を感じるかはご家庭次第です。
それから、エコジョーズ(高効率型)はガス代が年間で数千円〜1万円程度下がる一方、本体が1〜2万円高く、排水(ドレン)工事が必要です。長く住む持ち家なら元が取れる計算になることが多いですが、設置条件によるので見積もりの席でご相談ください。補助金については別記事(給湯省エネ事業の解説)にまとめています。
最後にもうひとつ。時期の話をすると、給湯器の価格と納期は冬に向けて条件が悪くなります。故障が集中する12〜2月は人気機種の在庫が細り、選べる機種が減って値引き余地もなくなるのが毎年の流れです。10年選手の給湯器をお使いで交換が視野に入っているなら、秋のうちに見積もりを取って比較しておく。これが同じ機種を数万円安く、好きな日程で付ける、いちばん確実な方法です。
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
記事の数値・制度は一次情報で確認したものだけを載せ、費用の目安は当店の施工事例の金額をもとにしています。監修者のプロフィールと監修の方針
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