給湯器を交換するとき、見積書の片隅に「既設撤去処分費」という行があります。金額は小さいものの、そもそも外した給湯器はどこへ行くのか、なぜお金がかかるのか、自分で捨てれば安く済むのか、と疑問に思う方は少なくありません。給湯器は金属のかたまりなので、ただのごみではなく資源として扱われる一方、工事で出たものは家庭ごみとは別の決まりで処分されます。この記事では、取り外された給湯器が工事の現場を出てから処分されるまでの流れを順番にたどり、処分費の中身と、自分で処分する場合の現実的な選択肢を整理します。
処分費はおおむね数千円〜1万円程度、交換工事なら業者が引き取るのが一般的
古い給湯器の処分費は、一般的なガス給湯器でおおむね3千〜1万円程度です。交換工事を頼んだ場合は、工事をした業者が取り外した本体をそのまま持ち帰り、処分まで手配するのが一般的な流れです。
見積書では「撤去費」と「処分費」が別々に書かれていることもあれば、「撤去処分費」として1行にまとめられていることもあります。また、最初から本体価格や工事費に含めて「撤去処分込み」と表示している業者もあります。金額の大小より、処分まで含まれているかどうかを確かめることが先です。
なお、処分費は給湯器の機種や号数による差はあまりなく、差が出るのは主に大きさと運び出しの手間です。号数を上げたから処分費も上がる、ということは基本的にありません。逆に、同じ号数でも据置型や屋内設置の古いタイプは、取り外しと搬出に時間がかかる分だけ幅の上の方になりやすいと考えてください。交換と処分を同じ業者に任せれば、取り外しから持ち帰りまでが1回の訪問で終わるため、別々に手配するより手間も費用も抑えやすくなります。
取り外した給湯器がたどる4つの段階
工事の現場で外された給湯器は、次のような流れで処分されます。お客様の目には見えない部分ですが、処分費はこの流れ全体にかかる費用です。
- 1. 取り外し:ガスと水を止め、配管と電源を外して本体を壁や台から下ろす
- 2. 持ち帰り:工事車両に積んで業者の倉庫や事務所へ運ぶ
- 3. 集積と引き渡し:ある程度まとまった量を、許可を持つ処理業者やリサイクル業者へ引き渡す
- 4. 解体と資源化:金属や樹脂を分け、再利用できる素材は資源として回し、残りを処分する
給湯器の中には、銅の熱交換器、ステンレスやアルミの部品、鉄の外装などが使われています。これらは分別すれば素材として再利用できます。一方で、樹脂部品や断熱材、電子基板など、手間をかけて分けなければならない部分も多く、分解と運搬の手間がかかります。素材の価値だけでは手間を賄えないため、処分費として費用が発生する仕組みです。
工事で出た給湯器は「産業廃棄物」として扱われる
ここが家庭ごみとの大きな違いです。業者が工事の作業として取り外した給湯器は、その業者が出した廃棄物という扱いになり、産業廃棄物として処理されるのが基本です。産業廃棄物は、許可を持った収集運搬業者や処分業者に委託し、どこへ運ばれてどう処分されたかを書類で追えるようにする決まりがあります。
つまり処分費には、運ぶ費用や解体の費用だけでなく、こうした決まりに沿って処理するための手続きの費用も含まれています。きちんとした業者ほど、この部分を省かずに処理しているため、処分費がゼロではないのは自然なことです。
逆に言えば、処分費が見積書に一切出てこない場合は、どこかに含まれているのか、処分の手配自体が見積りから抜けているのかを確認しておくと安心です。
処分費が高くなる場合・安く済む場合
同じ給湯器の処分でも、条件によって費用は変わります。高くなりやすいのは、本体が大きく重い場合、設置場所が2階のベランダや狭い通路の奥で運び出しに手間がかかる場合、据置台や古い配管、使っていない風呂釜など、給湯器以外の撤去物が一緒に出る場合です。屋内に設置された古いタイプの給湯器では、本体に加えて排気筒の撤去が必要になることもあります。
反対に、屋外の壁掛け型を同じ場所で入れ替えるような標準的な工事では、撤去も搬出も短時間で終わるため、処分費は幅の下の方に収まることがほとんどです。見積書に処分費が高めに書かれていたら、何を撤去する前提になっているのかを聞いてみると、金額の理由が分かります。
| 条件 | 処分費への影響 |
|---|---|
| 屋外の壁掛け型を同じ場所で交換 | 幅の下の方に収まりやすい |
| 据置型や大型の機種 | やや高くなりやすい |
| 2階ベランダや狭い通路の奥 | 運び出しの手間で高くなることがある |
| 排気筒や古い風呂釜も撤去 | 撤去物が増える分だけ上がる |
自分で処分すると安くなるのか
給湯器を自分で外して処分することは、現実的ではありません。ガス配管の取り外しには資格が必要で、無資格での作業はガス漏れの危険があります。そのため、自分で処分を考える場面は、業者に外してもらった本体を引き取らずに手元に残した場合に限られます。
その場合の選択肢と注意点を、業者に任せる場合と並べると次のようになります。
| 処分の方法 | 費用の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 交換業者に引き取ってもらう | 3千〜1万円程度 | 見積りに含まれているか確認するだけでよい |
| 自治体の粗大ごみに出す | 数百円〜数千円程度 | 給湯器を受け付けない自治体もあるため事前確認が必要 |
| 金属回収業者に持ち込む | 無料〜数千円程度 | 持ち込みの手間と運搬手段が必要。受け入れ品目の確認が必要 |
| 不用品回収業者に頼む | 業者により幅が大きい | 許可の有無を確認しないと不法投棄に巻き込まれるおそれ |
給湯器は重さが20キロ前後になるものも多く、エコキュートの貯湯タンクはさらに大型です。運び出しや車への積み込みの手間、自治体への問い合わせの時間を考えると、数千円の差のために自分で処分するメリットはそれほど大きくありません。
リモコンや据置台などの付属品はどうなるか
給湯器を交換すると、本体以外にも外れるものがあります。台所と浴室のリモコン、古い接続部材や保温材、据置型の場合の台、壁掛けの金具などです。これらは本体と一緒に業者が引き取るのが一般的ですが、見積りの「処分費」が本体だけを指しているのか、付属品も含めているのかは業者によって違います。
特に、古い給湯器から新しい給湯器へ替える際に据置台を撤去したり、使わなくなった配管を切り取ったりする場合は、その分の撤去物が出ます。量としては多くありませんが、工事の当日に「これは別料金です」と言われないよう、付属品の扱いも事前に確認しておくと安心です。
不用品回収業者を使うときに気をつけること
チラシやインターネットで「無料回収」をうたう業者もあります。家庭から出る不用品を回収するには、本来は自治体の許可などが必要です。許可を持たない業者に渡すと、回収されたものが適切に処理されず、山林などに捨てられる事例が各地で問題になっています。
不法に捨てられたものから元の持ち主がたどられると、トラブルに巻き込まれるおそれもあります。自分で処分する場合は、自治体の窓口に相談するか、許可を確認できる業者を選ぶようにしてください。給湯器の交換と一緒に処分まで任せる方が、手間とリスクの両方を減らせます。
エコキュートや電気温水器の処分は少し事情が違う
エコキュートや電気温水器は、貯湯タンクが大きく、中に水が残っていると非常に重くなります。撤去の前にタンクの水を抜く作業が必要で、搬出に2人以上の人手がかかることもあります。そのため、ガス給湯器より撤去処分費が高めになるのが一般的です。
エコキュートの交換費用の全体像は「エコキュート交換の費用相場と内訳」で扱っていますので、ここでは処分の手間がかかる分だけ費用も上がる、という点だけ覚えておいてください。
見積りの段階で確認しておきたい3つのこと
処分費そのものは小さな金額ですが、確認を怠ると後から別途請求が来ることがあります。契約前に次の3点を聞いておきましょう。
- 撤去と処分の両方が見積りに含まれているか(どちらか片方だけになっていないか)
- リモコンや古い配管、据置台なども一緒に引き取ってもらえるか
- 処分を任せる先が、許可を持つ業者かどうか
当店は工事費込みの明朗価格でご案内しており、給湯器交換は8.5万円〜(税込・工事費込み)、見積り・現地調査・出張費は無料です。撤去や引き取りの範囲も、見積りの段階で遠慮なくお尋ねください。工事費全体の内訳については「給湯器の工事費には何が含まれる?内訳を全部開きます」もあわせてご覧ください。
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
記事の数値・制度は一次情報で確認したものだけを載せ、費用の目安は当店の施工事例の金額をもとにしています。監修者のプロフィールと監修の方針
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