エコキュートを選ぶとき、多くの方が迷うのがタンクの容量です。カタログには370Lと460Lが並んでいて、「大は小を兼ねる」と考えれば460L、価格や置き場所を考えれば370L、とどちらにも理由があります。容量選びで失敗すると、毎晩のように湯切れを気にしながら暮らすか、使い切れないお湯を毎日沸かし続けることになります。エコキュートは夜間などに1日分のお湯をまとめて沸かしてタンクにためる仕組みなので、ガス給湯器のように使った分だけ瞬間的に沸かすわけではありません。この記事では、家族の人数を出発点に、湯切れが起きやすい暮らし方の場面を具体的に挙げながら、370Lと460Lのどちらを選べばよいかを判断できるように整理します。
3〜4人なら370L、4〜5人以上か湯をよく使う家なら460Lが目安
エコキュートの容量は、3〜4人家族なら370L、4〜5人以上の家族や、お湯を多く使う暮らし方の家庭なら460Lがひとつの目安です。4人家族はちょうど境目にあたるため、人数だけでなく、入浴の仕方や季節による使い方の違いで決めるのが確実です。
なお、1〜2人暮らしなら、より小さい300L前後のタイプも選択肢になります。逆に6人以上の大家族では、460Lでも足りない日が出ることがあり、より大きな容量のタイプも検討に入ります。ここでは最も迷う方の多い370Lと460Lの比較に絞って説明します。
| 家族の人数 | 目安の容量 | 補足 |
|---|---|---|
| 2〜3人 | 300L前後〜370L | 来客が多い、湯船に毎日つかるなら370L |
| 3〜4人 | 370L | 多くの家庭はこれで足りる |
| 4人 | 370Lか460L | 子どもの年齢や入浴の仕方で決める |
| 4〜5人 | 460L | 冬場の湯切れを避けたいなら460L |
| 6人以上 | 460L以上 | 二世帯などは使い方を詳しく確認 |
容量の数字は「使えるお湯の量」とイコールではない
370Lや460Lという数字は、タンクにためておける高温のお湯の量です。実際に蛇口やシャワーから出てくるのは、この高温のお湯に水を混ぜて40度前後に下げたお湯なので、使える量はタンクの容量より多くなります。そのため、370Lだから370リットルしか使えない、というわけではありません。
一方で、家庭で使うお湯の量もイメージより多いものです。一般的な浴槽にお湯をためると、それだけで200リットル前後になることがあります。そこに家族の人数分のシャワー、台所の洗い物、洗面での使用が加わります。370Lと460Lの差の90リットルも、水と混ぜた後のお湯に換算するとそれより大きな量になります。湯船1杯にシャワー数人分が重なる日を思い浮かべて、その余裕が要るかどうかで考えると、選び分けのイメージがつかみやすくなります。
また、タンクのお湯は一番下まで使い切れるわけではなく、残量が少なくなると湯温を保てなくなる前に知らせる仕組みの機種が多くあります。カタログの容量いっぱいを毎日使い切る前提で選ぶのではなく、少し余裕を残せる容量を選ぶのが無理のない考え方です。
湯切れはどんな場面で起きやすいのか
容量が足りないとき、湯切れは毎日起きるわけではありません。普段は足りていても、特定の場面が重なったときにタンクのお湯が尽きます。どの場面がわが家に当てはまるかを考えると、必要な容量が見えてきます。
- 冬の寒い時期:水道水の温度が下がり、同じ量のシャワーでもタンクのお湯を多く使う
- 家族全員がシャワーを長めに浴びる日:入浴時間が重なると、短時間で大量のお湯が出ていく
- 子どもが中高生になった:部活の後のシャワーや朝シャンプーで使用量が一気に増える
- 来客や帰省で人数が増えた:年末年始やお盆に湯切れが起きやすい
- 湯船の湯をこまめに入れ替える・追いだきを多用する:お湯の補充が増える
- 洗い物や掃除にもお湯を多く使う:台所の給湯も同じタンクから出る
とくに見落としやすいのが冬場です。エコキュートのタンクのお湯は高温でためておき、使うときに水と混ぜて適温にします。冬は混ぜる水が冷たいため、同じ温度のお湯を同じ量使っても、タンクから出ていく高温のお湯が多くなります。夏は余裕があった容量が、冬には足りなくなるのはこのためです。容量は、1年で一番お湯を使う冬の時期を基準に考えるのが安全です。
4人家族はどちらを選ぶ?判断の分かれ目
最も迷うのが4人家族です。同じ4人でも、小さな子ども2人と夫婦の家庭と、中高生の子ども2人と夫婦の家庭では、お湯の使用量がまったく違います。次の項目に多く当てはまるほど460L寄り、少ないほど370Lで足りる可能性が高いと考えてください。
- 子どもが中学生以上、またはこれから数年でその年齢になる
- 家族全員が毎日湯船につかる
- 朝にもシャワーを浴びる家族がいる
- 髪が長い家族が複数いる
- 来客や帰省で人数が増える時期が年に何度かある
- 今のエコキュートや電気温水器で湯切れを経験したことがある
エコキュートは10年から15年程度使う設備です。今は小さな子どもでも、10年後には中高生になっています。交換の時点の家族構成だけでなく、これから10年の変化も考えておくと、途中で容量不足に悩まされずに済みます。反対に、子どもが独立して夫婦2人になる見込みがあるなら、370Lでも十分な期間の方が長くなります。
大きい方を選べば安心、とは限らない理由
迷ったら460Lにしておけばよいかというと、そうとも言い切れません。容量が大きい分、本体の価格はおおむね数万円程度高くなることが多く、タンクも大きく重くなります。毎日使い切れない量を沸かしていると、ためたお湯が時間とともに冷めていく分のロスも増えます。
最近の機種の多くは、家族の使用量を学習して沸かす量を調整する機能を持っているため、大きすぎる容量でも極端な無駄にはなりにくくなっています。それでも、使わない容量のために本体代と設置スペースを払うことになるのは確かです。必要以上に大きくするより、使い方に合った容量を選ぶ方が合理的です。
設置スペースと搬入経路も確認する
容量を上げると、タンクの大きさと重さが増します。今のエコキュートや電気温水器と同じ場所に、ひと回り大きなタンクが収まるかどうかは、事前に確認が必要です。家と塀の間が狭い場所では、タンクの奥行きや、作業のための通路が確保できるかもポイントになります。
狭い場所向けには、奥行きを抑えた薄型のタイプもあります。ただし、同じ容量でも形によって価格や選べる機種が変わります。基礎の大きさが合わない場合は、基礎のつくり直しが必要になることもあります。容量を決めるときは、置き場所の寸法とセットで考えてください。
湯切れしそうなときの対処と、容量選びで迷ったときの考え方
多くのエコキュートには、タンクのお湯が少なくなったときに追加で沸かす「沸き増し」の機能があります。湯切れしそうな日に使えば、お湯が尽きるのを防げます。ただし、昼間に沸き増しをすると、割安な夜間の電気ではなく、割高な時間帯の電気を使うことになり、電気代が上がります。
年に数回の来客のときだけ沸き増しで補う程度なら370Lでも問題ありませんが、毎週のように沸き増しが必要になるなら容量が足りていないサインです。迷ったときは、今使っている機器の容量と、湯切れの頻度を思い出してみてください。今の容量で不満がなければ同じ容量、湯切れが気になっていたならひとつ上、というのが分かりやすい決め方です。
電気温水器からの入れ替えで電気代がどう変わるかは「電気温水器からエコキュートに替えると電気代はどう変わる」、エコキュートの費用全体は「エコキュート交換の費用相場と内訳」で扱っています。
見積りの前に用意しておくと話が早い情報
容量の相談をするときは、次の情報があると、業者が具体的な機種を提案しやすくなります。当店ではLINEで写真を送っていただければ概算見積りをお出ししています。エコキュート交換は24.8万円〜(税込・工事費込み)で、見積り・現地調査・出張費は無料です。
- 今の機器の型番ラベルの写真(容量が分かる)
- 設置場所を少し引いた位置から撮った写真
- 家族の人数と年齢、今後数年の変化の見込み
- 湯切れを経験したことがあるか、あればどんな時期か
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
記事の数値・制度は一次情報で確認したものだけを載せ、費用の目安は当店の施工事例の金額をもとにしています。監修者のプロフィールと監修の方針
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