給湯器の交換で「エコジョーズにしますか?」と聞かれて、迷う方は多いと思います。本体は標準型より高い。でもガス代は安くなる。では、その差額は何年で元が取れるのか。この問いには、実はご自宅のガスの使い方で答えがかなり変わります。プロパンガスでお湯をたくさん使うご家庭なら数年で取り戻せることもあれば、都市ガスでお湯の使用量が少ないご家庭では、給湯器を使い終わるころにやっと届く、ということもあります。この記事では、エコジョーズが省エネになる仕組みを短く押さえたうえで、差額と年間の節約額から回収年数を計算する方法を、手順と目安の表でまとめます。
結論:差額はおおむね2万〜5万円程度、回収はプロパンで2〜4年、都市ガスで4〜8年が目安
エコジョーズと標準型の差額は、同じ号数・同じタイプで比べて、工事費込みでおおむね2万〜5万円程度です。給湯に使うガスがおよそ1割強減るため、年間の節約額は都市ガスで数千円〜1万円前後、プロパンガスで1万円前後〜2万円弱が一般的な目安になります。
これを割り算すると、回収年数はプロパンガスで2〜4年程度、都市ガスで4〜8年程度です。給湯器はおおむね10年前後使う設備なので、多くのご家庭ではエコジョーズのほうが総額で得になります。ただし、お湯の使用量が少ないご家庭や、結露水の排水工事が大がかりになる家では、回収が使用年数ぎりぎりになることもあります。
なぜガス代が下がるのか:捨てていた熱をもう一度使う
標準型の給湯器は、ガスを燃やした熱のうち、おおよそ8割をお湯に伝え、残りは排気と一緒に外へ逃がしています。エコジョーズは、この排気に残った熱をもう一度回収してから外に出す仕組みで、お湯に伝わる割合が9割台まで上がります。
同じ量のお湯をつくるのに必要なガスが減るので、給湯に使うガスはおよそ1割強少なくなります。この「1割強」が、回収年数を計算するときの基本の数字です。なお、熱を回収するときに結露水が出るため、エコジョーズにはそれを流す排水の配管が必要になります。標準型からの入れ替えで費用が増えやすいのはこの部分です。
ご自宅で回収年数を計算する4つの手順
回収年数は、ご自宅のガスの請求書があれば、おおよそ自分で計算できます。次の4つの手順で進めてください。
- 手順1 1年分のガス代の合計を出す。検針票やガス会社の会員ページで、12か月分を足します
- 手順2 そのうち給湯に使っている分を見積もる。ガスコンロとガス給湯器だけの家なら、7割前後が給湯と見ておくと計算しやすくなります。ガス暖房を使う家はその分を引きます
- 手順3 給湯分のガス代に0.13を掛ける。これがエコジョーズにしたときの年間節約額の目安です
- 手順4 見積りでの標準型との差額を、年間節約額で割る。出た数字が回収年数です
たとえば、年間のガス代が8万円で、その7割の5万6千円が給湯分なら、節約額は5万6千円×0.13でおよそ7千円です。差額が3万円なら、3万円÷7千円で、回収はおよそ4年強という計算になります。掛ける数字を0.13としているのは、効率の差から控えめに見積もるためで、実際にはお湯の使い方や季節によって前後します。
ガスの種類と家族の人数別:回収年数の目安
手順を踏むのが面倒な方のために、一般的なご家庭を想定した目安を表にしました。差額は3万円、給湯器の使用年数は10年前後として計算しています。ガス料金は地域や契約、時期で大きく変わるので、あくまで考え方の参考としてご覧ください。
| ご家庭の例 | 給湯分の年間ガス代の目安 | 年間節約額の目安 | 回収年数の目安 |
|---|---|---|---|
| 都市ガス・2人暮らし | 3万〜4万円程度 | 4千〜5千円程度 | 6〜8年程度 |
| 都市ガス・4人家族 | 5万〜7万円程度 | 7千〜9千円程度 | 4年前後 |
| プロパンガス・2人暮らし | 6万〜8万円程度 | 8千円〜1万円程度 | 3〜4年程度 |
| プロパンガス・4人家族 | 10万〜14万円程度 | 1万3千〜1万8千円程度 | 2年前後 |
表から分かるように、回収の早さを決めるのは「ガスの単価」と「お湯の使用量」です。プロパンガスは都市ガスより単価が高い傾向があるため、同じ節約率でも浮く金額が大きく、回収が早くなります。家族が多く、お風呂やシャワーを毎日たっぷり使うご家庭ほど、エコジョーズの効果を受けやすいと言えます。
回収年数と合わせて見ておきたいのが、10年使ったときの差し引きです。たとえば都市ガスの4人家族で年間8千円浮くなら、10年で約8万円。差額の3万円を引いても、5万円ほど手元に残る計算になります。プロパンガスの4人家族なら、10年で10万円を超える差になることも珍しくありません。反対に、都市ガスの2人暮らしで年間4千円程度なら、10年で約4万円となり、差額を引いた残りは1万円前後です。「元が取れるか」だけでなく「最終的にいくら違うか」で見ると、判断がしやすくなります。
回収が遅れやすい、または得をしにくいケース
次のような条件では、計算上の回収年数が長くなったり、思ったほど差が出なかったりします。当てはまる場合は、見積りの段階で差額と工事の内容をよく確認してください。
- 1人暮らし、または外出が多くお湯をあまり使わない
- 標準型からの入れ替えで、結露水を流す排水の配管を長く引く必要がある
- マンションのパイプシャフト内などで、排水の取り回しが難しく工事が増える
- 近いうちに引っ越しや建て替えの予定があり、10年使う見込みがない
- シャワーよりも、短時間の手洗い程度でしかお湯を使わない
特に排水の工事は、家によって費用の幅が大きい部分です。給湯器の近くに雨どいや排水ますがあれば簡単に済みますが、離れていると配管の距離が延びます。工事費の細かな内訳や、見積り後に費用が増えるパターンは別の記事で扱っているので、気になる方はそちらもあわせてご覧ください。
差額を小さくする方法:補助金とガス会社の料金プラン
回収年数は「差額」を小さくできれば、そのぶん短くなります。1つ目の方法は補助金です。国や自治体が、省エネ性能の高い給湯器への交換に補助を出していることがあり、エコジョーズが対象になる場合もあります。ただし、補助金は年度ごとに内容が変わり、予算に達すると締め切られることもあるので、着工前に対象かどうかを確認するのが前提です。当店では補助金の申請代行も行っています。
2つ目は、ガス会社の料金プランです。ガス会社によっては、給湯の使用量が多い家庭や高効率給湯器を使う家庭に向けた料金プランを扱っていることがあります。内容や有無は会社ごと・時期ごとに異なり、プロパンガスは販売店によって条件が違います。今の契約に合うプランがあるかを一度確認しておくと、回収が早まる場合があります。
エコジョーズを選ぶときの考え方
ここまでの計算をふまえると、迷ったときの考え方はシンプルです。プロパンガスのご家庭、または2人以上でお湯をよく使うご家庭は、エコジョーズを選んでおくと、給湯器を使い終わるまでに差額を取り戻しやすくなります。都市ガスで使用量が少ない場合は、回収年数を計算したうえで、標準型と比べて決めると納得しやすいでしょう。
なお、ガス給湯器そのものをやめてエコキュートに替える、ハイブリッド給湯器にするといった選択肢は、比べる軸が変わるため、それぞれ専用の記事で扱っています。この記事はあくまで「ガス給湯器の中で、標準型とエコジョーズのどちらにするか」の判断に絞っています。
当店では、今の給湯器と設置場所の写真をLINEで送っていただければ、標準型とエコジョーズの両方の概算をお出しします。排水の工事が必要かどうかも、写真である程度判断できます。現地調査とお見積り、出張費は無料で、工事保証は最長10年です。給湯器交換は8.5万円〜、税込・工事費込みでご案内しています。
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
記事の数値・制度は一次情報で確認したものだけを載せ、費用の目安は当店の施工事例の金額をもとにしています。監修者のプロフィールと監修の方針
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