シャワーの水圧の不満は、我慢できてしまうぶん後回しにされがちです。でも毎日のことなので、積み重なるストレスは結構なもの。特に冬は「水圧が弱いと体が温まる前に湯冷めする」という切実な話になります。今回は、水圧のご相談で実際にお伺いしたときに原因だったものを、現場での遭遇頻度が高い順にランキング形式でご紹介します。上位ほどご自身で確認できるものなので、上から順に試してみてください。
第1位:シャワーヘッドとホース根元の目詰まり
いちばん多くて、いちばん簡単に直るのがこれです。シャワーヘッドの散水板(お湯が出る面)の穴に水道水のカルシウム分が固まって、少しずつ出口をふさいでいきます。数年がかりで進むので、ご本人は弱くなったことに気づきにくいのが特徴です。
確認は簡単で、シャワーヘッドを外してホースから直接お湯を出してみてください。ホースからは勢いよく出るなら、犯人はヘッドです。散水板を外して古歯ブラシでこするか、薄めたクエン酸水に一晩つけ置きすれば、詰まりが溶けて見違えることがあります。
ついでにヘッドとホースの接続部にある小さなフィルターやパッキンも見てください。ここにゴミが溜まっているケースも多いです。掃除しても改善しなければ、シャワーヘッド自体の買い替え(数千円〜)で解決します。
第2位:止水栓や元栓が絞られている
意外に思われるかもしれませんが、「水圧が弱い」の原因が単に栓が絞られていただけ、というケースは本当にあります。水栓の交換やトイレの工事のあとに止水栓を全開に戻し忘れていたり、引っ越し時に元栓が半開きのままだったり。
浴室の水栓につながる止水栓(壁の根元にあるマイナスネジや、脚部のハンドル)を左に回して全開にしてみてください。家全体の水の出が弱いなら、水道メーターボックス内の元栓も確認を。ここが半開きだと家じゅうの蛇口が弱くなります。
賃貸や築年数の古いお家では、水圧そのものを調整する減圧弁が設定されている場合もあります。心当たりがなければ管理会社や水道局に確認してみてください。実際の現場でも、トイレ交換の工事の際に「そういえばお風呂の水圧も見てもらえますか」と言われて確認したら、以前の工事で止水栓が半開きのまま戻されていた、ということがありました。栓ひとつで長年の不満が解消するなら、確認しない手はありません。
第3位:お湯だけ弱い——給湯器の能力不足・劣化
水は勢いよく出るのにお湯にすると弱くなる。この症状なら、原因は水道側ではなく給湯器です。
まず疑うのは号数不足。16号の給湯器で、シャワー中にキッチンでもお湯を使うと、お湯の供給が追いつかずシャワーが細くなります。家族が増えた、二世帯になった、というご家庭でこの症状が出ているなら、号数アップ(16号→20号・24号)が根本解決になります。
もうひとつは経年劣化です。給湯器内部の熱交換器まわりに水垢が蓄積すると、お湯の通り道が狭くなって湯量が落ちます。10年以上使った給湯器で「昔よりお湯の勢いがなくなった」と感じるなら、これが進行しているサインです。この劣化は掃除では戻せないので、寿命のひとつの目安と考えてください。当店の交換は工事費込み8.5万円〜、号数アップのご相談もそのままお受けできます。
第4位:配管の劣化・マンションの構造的な問題
ここから先は少し根の深い話です。築30年前後のお家で家じゅうの水圧が慢性的に弱い場合、給水管の内部が錆で狭くなっている可能性があります。特に鉄管(塩ビ管が普及する前の配管)は、内側に錆コブができて水の通り道を細くします。赤っぽい水が朝いちばんに出るなら、その兆候です。
マンションの高層階で慢性的に弱いケースは、建物の給水方式による構造的なものもあり、お部屋側の工事だけでは解決できないことがあります。この場合は低水圧用のシャワーヘッドで体感を改善するのが現実的な対処です。
配管の劣化が疑われる場合は、water-leakの記事でも触れた漏水リスクとも関わってきますので、水圧だけでなくお家全体の配管の健康診断として点検を受けることをおすすめします。
まとめ:確認の順番をおさらい
最後に、今日からできる確認の順番をまとめます。①シャワーヘッドを外してホースから直接出す→勢いがあればヘッドの掃除か買い替え。②止水栓・元栓が全開か確認する。③水は強いのにお湯だけ弱いなら給湯器を疑う。お湯の同時使用で悪化するなら号数不足、年数が10年超なら劣化。④どれにも当てはまらず家じゅう慢性的に弱いなら、配管や建物側の点検を。
①と②はお金をかけずに今日できます。③④の診断は、症状をお聞きすれば電話やLINEの段階である程度見当を付けられますので、「うちの場合はどれ?」という聞き方で気軽にご相談ください。写真や動画(シャワーの出方を撮ったもの)を送っていただけると、さらに正確にお答えできます。
水圧の不満は「壊れていない」ぶん相談しづらいと感じる方が多いのですが、当店へのご相談の中では決して珍しくないテーマです。しかもシャワーヘッドの掃除ひとつで解決することがあるくらい、原因の軽いケースが混ざっています。逆に給湯器や配管の劣化が原因だった場合は、放っておくと水圧以外のトラブル(お湯の温度が安定しない、異音、漏水)につながる入り口でもあります。毎日のシャワーに小さな我慢をしているなら、この機会に一度原因をはっきりさせてしまいましょう。
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
記事の数値・制度は一次情報で確認したものだけを載せ、費用の目安は当店の施工事例の金額をもとにしています。監修者のプロフィールと監修の方針
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