「使っていない和室をどうにかしたい」というご相談は、水まわり工事のついでにいただくことが多いテーマです。畳をフローリングにするだけなのか、押入まで手を入れるのか、壁と天井も替えるのか。ここで工事の範囲がまったく変わり、金額も大きく動きます。この記事では和室の洋室化を四つの工事に分けて、それぞれ何をするのか、どこまでやるとどうなるのかを整理します。
和室の洋室化は四つの工事の組み合わせ
一口に「洋室にする」と言っても、実際にやっているのは次の四つです。全部やる必要はありません。
- 床… 畳をフローリングやクッションフロアに替える
- 押入… 襖を外し、中段を撤去してクローゼットに造り替える
- 壁… 砂壁や繊維壁、真壁の柱をどう処理するか
- 天井・建具… 和風の天井板を替える、襖や障子をドアや洋風の建具にする
優先順位をつけるなら、効果が大きいのは床です。畳がフローリングになるだけで部屋の印象はかなり変わり、ベッドや家具も置けるようになります。逆に、壁の柱(真壁)を隠す工事はいちばん手間がかかるところです。
予算を絞るなら「床+押入」まで、しっかり洋室にするなら「壁・天井・建具」も含める、という考え方で切り分けると分かりやすいです。
畳からフローリングへ|段差の処理が肝心
畳の厚みは通常55〜60mm程度あります。フローリングは12mm前後ですから、そのまま張ると床が下がって隣の部屋との段差になります。ここをどう埋めるかが工事の中身です。
- 下地を組んで高さを合わせる… 根太や合板で嵩上げしてから仕上げ材を張る。仕上がりがきれいで、床の感触もしっかりします
- 厚みのある置き畳・フローリング材で調整する… 工期が短く費用も抑えられますが、下地の状態次第です
床下の状態も同時に確認します。畳をはがすと、湿気で下地がやわらかくなっていたり、断熱材が入っていないことが分かる場合があります。ここは開けてみないと分かりません。傷んでいれば下地の補修が加わります。
仕上げ材の選び方は、部屋の使い方で決めてください。寝室や居室ならフローリング、水はねが心配な場所や予算を抑えたい場合はクッションフロアも現実的な選択です。それぞれの費用感はクッションフロア張り替えの記事にまとめています。
押入をクローゼットに変える工事
押入は、布団を上下に分けて入れるための「中段」という棚が中央に入っています。洋服を掛けるには邪魔になるので、これを外します。
- 襖(ふすま)を外し、枠を洋風の折れ戸や引き戸に替える
- 中段と枕棚を撤去する
- 内部の壁・天井・床を仕上げ直す(もとの押入は板張りや紙貼りのままのことが多い)
- ハンガーパイプと上棚を取り付ける
押入の奥行きは通常80cm前後あり、クローゼットとしては十分すぎるほどです。奥に物が埋もれてしまうので、手前にパイプを寄せて奥を棚にする、といった造り方も相談できます。
注意点として、押入の枠は柱に取り付いていることが多く、枠ごと交換すると壁の仕上げまで影響します。既存の枠を活かして扉だけ替えるほうが、費用も工期も抑えられます。
真壁と大壁|和室の壁がいちばん手間がかかる
和室の壁は、柱が見えている「真壁(しんかべ)」です。洋室は柱が壁の中に隠れた「大壁(おおかべ)」です。この違いが、洋室化でいちばん費用の差が出るところです。
柱を見せたまま壁だけきれいにする場合、砂壁や繊維壁の上に下地を作ってクロスを張ります。柱は残るので和の雰囲気も残りますが、費用は抑えられます。
柱を完全に隠して洋室らしくする場合は、柱の面まで壁をふかす(手前に出す)工事になります。壁が厚くなるぶん部屋がわずかに狭くなり、コンセントや窓枠、ドア枠の位置も調整が必要です。手間が増えるので金額も上がります。
どちらが良いかは好みの問題です。実際には「柱は残していい」というお客様が多く、その場合は費用をかなり抑えられます。砂壁の上から張る場合の注意点や色柄の選び方はクロス張り替えの記事をご覧ください。
洋室にしないほうがいいケースもあります
正直に申し上げると、洋室化をおすすめしない場合もあります。
- 来客用の寝室として年に何度か使っている… 畳の部屋は布団を敷くだけで寝室になります。この用途では洋室化の利点が薄い
- 仏間として使っている… 仏壇の位置や床の強度の関係で、手を入れる範囲が広がることがあります
- 将来的に介護で使う予定がある… 車椅子を考えるなら床の仕上げと建具の幅を先に決めたほうが無駄がありません
逆に、洋室化の効果が大きいのは「物置になっている和室」です。畳が湿気でへたっていて使いづらく、結果として誰も入らない部屋になっている。この状態なら、床を替えるだけで使える部屋に戻ります。
また、畳表の張り替え(表替え)だけで済むケースもあります。畳自体がしっかりしていて表面が傷んでいるだけなら、そのほうが圧倒的に安く済みます。現地を見て、そちらのほうが良さそうならそうお伝えします。
工期と、当店にご相談いただく場合
工期の目安は、床の張り替えだけなら1〜2日。押入のクローゼット化を含めると2〜3日。壁・天井・建具まで含めると4〜6日程度です。部屋の中の家具を出す必要があるので、そのぶんの段取りも一緒にご相談ください。
当店の内装リフォームは66.4万円〜でご案内していますが、和室1室の床だけ、押入だけといった部分工事も承ります。まずは現地を見せていただいて、どこまでやると何が変わるかをお伝えしたうえでお見積もりします。
水まわりの工事とあわせてご依頼いただく場合、職人の出入りを一度にまとめられるので、別々に頼むより段取りが楽になります。キッチンやお風呂の工事をご検討中なら、そのタイミングでご相談いただくのが効率的です。
内装リフォーム全体の考え方は内装リフォームのすべてにまとめています。
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
記事の数値・制度は一次情報で確認したものだけを載せ、費用の目安は当店の施工事例の金額をもとにしています。監修者のプロフィールと監修の方針
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