エコキュートは静かな機械と言われますが、夜中に動くという性質上、音が気になる人がいるのも事実です。とくに耳ではっきり聞こえる音よりも、ブーンという低い音や、体に響くような振動が気になると感じる人もいます。自分の家では気にならなくても、ヒートポンプユニットの向かいが隣の家の寝室だった、ということもあります。音の問題は、こじれるとご近所付き合いにも響くため、早めに手を打つのが大切です。この記事では、エコキュートの音がどこから出ているのか、低い音がなぜ気になりやすいのかを説明したうえで、費用のかからない対策から順に、どんな手があるかを整理します。これから設置や交換を考えている方に向けて、置き場所で失敗しないための考え方もまとめました。
音の正体はヒートポンプユニットの低い音と振動
エコキュートの運転音の多くは、貯湯タンクではなく、エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットから出ています。対策の基本は、このユニットの振動を建物や地面に伝えないことと、音を向ける方向を変えることの2つです。
ヒートポンプユニットの中では、空気の熱を集めるためのファンと、冷媒を圧縮するコンプレッサーが動いています。カタログに載っている運転音は、多くの機種で40デシベル前後と、静かな部屋や図書館くらいの数字です。数字だけを見ると小さな音ですが、エコキュートは深夜から早朝にかけて、数時間続けて動くことがあります。周りが静まり返った時間帯に、同じ音が続くこと自体が気になる原因になります。
もう1つの特徴が、低い周波数の音です。コンプレッサーの回転から出る低い音は、高い音に比べて壁や窓を通り抜けやすく、距離が離れても弱まりにくい性質があります。耳では小さく聞こえても、圧迫感や振動として感じる人もいます。感じ方には個人差が大きく、同じ家族の中でも気になる人とまったく気にならない人がいるのは、このためです。
音が気になりやすい置き方のパターン
同じ機種でも、置き方によって音の伝わり方は大きく変わります。次のような設置になっていないか、まず確かめてみてください。
- ヒートポンプユニットの正面や吹き出し口が、隣の家の寝室や窓に向いている
- 隣家との境界のすぐそばに置かれていて、塀や壁との距離が近い
- 建物と塀に挟まれた狭い通路に置かれ、音が反射してこもりやすい
- コンクリートの土間や基礎に直接置かれ、振動がそのまま伝わっている
- ユニットの脚と土台の間に防振材が入っていない、または劣化している
- 寝室の真下や外壁のすぐ外側に置かれ、壁を伝って室内に響いている
とくに住宅が密集した地域では、敷地の都合で隣家側に置かざるを得ないことがよくあります。音の問題は、機械そのものよりも、置き場所と向きが影響していることも少なくないと言われます。国の消費者安全調査委員会がヒートポンプ給湯機の運転音と体調不良の申し出について調べ、設置位置への配慮を求めたことがあるなど、置き場所への配慮は以前から呼びかけられています。
費用の小さい対策から順に試す
音への対策は、すぐにできて費用の小さいものから順に試すのが現実的です。下の表は一般的な目安です。
| 対策 | 期待できること | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 静音・夜間低騒音の設定に切り替える | 夜の運転音を下げる | 費用なし |
| ユニット周りの物を片付ける | 反射音やこもりを減らす | 費用なし |
| 防振ゴム・防振マットを入れる | 地面や建物への振動を減らす | 数千円〜2万円程度 |
| 防振架台に載せ替える | 振動の伝わりを大きく減らす | 2万〜5万円程度 |
| ヒートポンプユニットの向きを変える・移設する | 音の向きと距離を変える | 5万〜15万円程度 |
最初に試したいのは設定です。機種によっては、夜間の運転音を抑える静音や低騒音のモードがあります。沸き上げの力が少し落ちる分、運転時間が長くなることがありますが、音の大きさを抑えられます。取扱説明書の設定項目を確かめてみてください。
次に効果が出やすいのが、振動を断つ対策です。ユニットの脚の下に防振ゴムを挟んだり、防振架台に載せ替えたりすると、地面や建物を伝わる振動が減り、低い音の響きが和らぐことがあります。設置から年数がたつと、もともと入っていた防振材が硬くなって効きが落ちていることもあるので、点検の際に一緒に見てもらうとよいでしょう。
それでも改善しない時は、ユニットの向きを変えたり、隣家から離れた場所に移したりする方法があります。配管を延ばす長さや、置き場所の土台を新しく作るかどうかで費用が変わります。防音のための囲いを自分で作るのは、空気の通りをふさいで効率を落としたり、故障の原因になったりするので避けてください。
対策の前に、音を記録して原因を絞る
対策を選ぶ前に、どんな音がいつ出ているのかを記録しておくと、効く手を選びやすくなります。おすすめは、気になる音がした日時と、聞こえた場所、音の感じを簡単にメモしておくことです。ブーンと低く続く音なのか、カタカタという振動音なのか、ファンが回るような風の音なのかで、原因の見当が変わります。
あわせて、リモコンで沸き上げの時間帯を確かめ、メモした時間と重なっているかを見ます。重なっていれば、エコキュートの音である可能性が高まります。重なっていなければ、エアコンの室外機や近くの別の設備の音ということもあります。
スマートフォンの騒音計のアプリで音の大きさを測る方法もあります。ただし、スマートフォンのマイクは低い音を拾いにくく、数字が実際の感じ方と合わないことがよくあります。数字が小さいから問題ない、と決めつける材料にはせず、どの時間帯にどう変わるかを見る程度に使うのがよいでしょう。
振動が原因かどうかは、運転中にユニットの近くの地面や外壁に手を当ててみると分かることがあります。はっきり震えを感じるなら、防振の対策が効きやすいと考えられます。
ご近所から音を指摘された時の進め方
隣の家から音について言われた時は、まず相手の話をよく聞くことから始めます。いつ、どんな音が、どの部屋で気になるのかを具体的に聞いておくと、対策の手がかりになります。運転時間はリモコンの設定である程度分かるので、相手が気になる時間とエコキュートの運転時間が重なっているかを確かめるのも大切です。
音の感じ方には個人差があり、自分には聞こえないからといって相手の訴えを否定するのは逆効果です。一方で、すぐに移設を約束する必要もありません。設定の変更や防振材の追加など、手軽な対策から試し、その結果を相手に伝えながら進めると、話がこじれにくくなります。
業者に点検を頼む時は、ご近所から音について相談があったことを伝えてください。設置の状態や防振材の劣化を確かめたうえで、どの対策が効きそうかを一緒に考えてもらえます。賃貸住宅や分譲マンションの場合は、管理会社や管理組合にも早めに相談しておくと安心です。
これから設置・交換する時の置き場所の選び方
音の問題は、設置する前の段階でかなり防げます。交換の時は、前の機種と同じ場所に何も考えずに置くのではなく、置き場所を見直すよい機会です。
置き場所を選ぶ時は、ヒートポンプユニットの吹き出し口を隣家の窓や寝室に向けないこと、境界からできるだけ距離をとること、狭い通路の奥など音がこもる場所を避けることを意識します。自分の家の寝室の真下や、寝室の外壁のすぐ外側も避けたい場所です。
機種選びでは、カタログの運転音の数字に加えて、夜間の静音機能があるかどうかも見ておくとよいでしょう。メーカーによって、静かさに力を入れた機種があります。ただし、カタログの数字は決まった条件で測ったもので、実際の聞こえ方は置き場所と周りの環境で変わります。数字だけで決めず、置き場所とセットで考えることが大切です。
交換を考える時は、現地調査の場で敷地や隣家との位置関係を見ながら、置き場所と向きも相談しておくと安心です。アクアデポ 大和・藤沢店では、現地調査と見積り、出張費は無料です。大和市・藤沢市を中心に、横浜市・綾瀬市・海老名市・座間市・茅ヶ崎市・鎌倉市・寒川町・相模原市で承っています。
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
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