床が濡れている、水が噴き出している、というときに最初にやるべきことは元栓を閉めることです。ところが「元栓がどこにあるか分からない」というご相談を、緊急の電話で本当によくいただきます。水が出続けている時間がそのまま被害の大きさになりますから、場所と回し方は今のうちに確認しておいてください。この記事は、慌てている最中でも読めるように順番を整えて書いています。
元栓と止水栓はまったく別のもの
まず用語を整理します。この二つを混同すると、必要な範囲を止められません。
- 元栓… 家全体への給水を止めるバルブ。水道メーターのすぐ横にあります。これを閉めると家中の水が止まります。
- 止水栓… 個別の設備だけを止めるバルブ。トイレの脇、洗面台の下、キッチンのシンク下などにあり、その設備だけを止められます。
使い分けの基準はひとつです。どこから漏れているか分かっていて、その設備の止水栓に手が届くなら止水栓を閉める。分からない、または水量が多くて近づけないなら元栓を閉める。迷ったら元栓です。家中の水が止まって不便にはなりますが、被害は確実に止まります。
戸建ての元栓はメーターボックスの中
戸建ての場合、元栓は敷地内の水道メーターと同じ箱(メーターボックス)に入っています。
- 場所… 玄関前や駐車場の地面、または建物の外壁沿いの地面
- 見た目… 樹脂や鉄の四角いふた。「水道メーター」「上水道」などと書かれています
- 開け方… ふたに指をかける穴があります。固いときはマイナスドライバーなどをてこにして持ち上げます
- 中身… メーターの横に、青や銀色のハンドル(またはレバー)があります。それが元栓です
回す方向は、ハンドル式なら時計回り(右)で閉まります。レバー式なら90度倒すだけです。ハンドル式は止まるところまでしっかり回してください。中途半端だと水が少しずつ出続けます。
注意点として、ボックスの中に落ち葉や土が詰まっていて、ハンドルが見えないことがよくあります。手を入れる前に、虫や小動物がいないか一度覗いてから作業してください。
マンションは玄関横のパイプスペース
集合住宅では、元栓は玄関の横にある扉(パイプスペース、PSと表示されていることが多い)の中にあります。給湯器やメーターが一緒に入っている、あの扉です。
扉を開けると水道メーターがあり、その手前か奥にバルブがあります。ガスの配管や給湯器も同居しているので、間違えないようにしてください。水道の配管は基本的にメーターにつながっている管です。
古い物件では、室内の床下点検口や洗面台の下に元栓がある場合もあります。また上下階に被害が及ぶおそれがあるため、マンションでの水漏れは元栓を閉めたあと、必ず管理会社か管理組合にも連絡してください。階下への漏水は時間が経つほど賠償の話が大きくなります。
固くて回らないときの対処
元栓は何年も動かしていないことがほとんどなので、固着して回らないことがあります。緊急時に力任せに回すと、バルブそのものを壊して大惨事になります。
- まず正しい方向を確認する(時計回りが閉)。逆に力を入れていることが実際によくあります
- 軍手をして、体重をかけずに手首で少しずつ動かす
- どうしても動かないなら、無理をせず水道局か水道業者に連絡する
- モンキーレンチなどで無理にこじると、古い管ごと折れて被害が拡大します
折れてしまうと、元栓より手前で止めるしかなくなり、道路の止水作業が必要になります。これは水道局の作業になるため時間がかかります。固くて動かないと分かった時点で連絡するほうが、結果的に早く止まります。
固着を防ぐコツは、年に一度、元栓を全開から少し閉めて戻す動作をしておくことです。これだけで緊急時に回らない事故がかなり減ります。
閉めたあとにやること
元栓を閉めて水が止まったら、被害を広げないための作業に移ります。順番があります。
- 濡れた床の水を拭き取る。フローリングは時間が経つと反って戻りません
- 漏れた場所の写真を撮る。保険や賠償の手続きで必要になります
- 電気の配線やコンセントが濡れていたら、その部分のブレーカーを落とす
- 階下・隣室への影響を確認する(マンションの場合は必須)
- 業者に連絡する。このとき元栓は閉めたままにしておきます
写真は後から撮れません。床が濡れている状態、漏れている箇所、水が伝った跡を、拭く前に撮っておいてください。火災保険で水濡れが対象になっているケースもあります。
場所別の応急処置は水漏れの応急処置マニュアルにまとめています。原因の切り分けは水まわりの水漏れ修理の記事をご覧ください。
今のうちにやっておいてほしい確認
水漏れは予告なく起きます。起きてから探すと、その数分から数十分がそのまま被害になります。落ち着いている今のうちに、次の三つだけ確認しておいてください。
- 元栓の場所を実際に見て、ふたを開けてみる
- ハンドルが回るかどうかを確かめる(少し閉めて戻すだけ)
- トイレ・洗面・キッチンの止水栓の位置も見ておく
ご家族のどなたかだけが知っている状態も危険です。留守のときに起きたら意味がありません。場所を写真に撮って共有しておくのがいちばん確実です。
当店は大和市・藤沢市を中心に水まわりの修理と交換を専門にしています。止めたあとの修理や設備の交換については、そのままご相談いただければ現地を見てお見積もりします。
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
記事の数値・制度は一次情報で確認したものだけを載せ、費用の目安は当店の施工事例の金額をもとにしています。監修者のプロフィールと監修の方針
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