お湯をはった浴槽に、黒や茶色の小さなカスがふわりと浮いてくる。追いだきをすると、なんとなくお湯がにごる気がする。こうした変化の多くは、浴槽と給湯器をつなぐ追いだき配管の中にたまった汚れが原因です。追いだき配管は、浴槽のお湯を給湯器へ送って温め直し、また浴槽へ戻すための通り道で、毎日お湯が行き来するのに、外からは中が見えません。そのため、気づいた時には汚れがかなりたまっていることもあります。この記事では、汚れが何年くらいで出てくるのか、その正体は何か、自分でできる洗浄と業者に頼む洗浄の違いを順に解説します。
汚れは1年ほどでたまり始め、数年で目に見えるようになる
追いだき配管の汚れは、使い方にもよりますが、使い始めて1年ほどで配管の内側にぬめりとしてたまり始め、何も手入れをしないまま数年たつと、黒や茶色のカスとして浴槽に出てくるようになるのが一般的な目安です。
汚れのたまり方は、家族の人数、追いだきや保温を使う頻度、浴槽のお湯を何日使い回すか、入浴剤の種類などで大きく変わります。毎日お湯を入れ替え、こまめに洗浄している家ではカスが出ないまま何年も過ごせる一方、残り湯を何日も追いだきして使う家では、早い時期から汚れが目立つこともあります。つまり「何年で出るか」は、年数よりも日頃の使い方と手入れで決まる部分が大きいということです。
年数ごとに見る、配管の中の様子
手入れをしなかった場合に、配管の中で起きていることの目安を表にしました。あくまで一般的な傾向で、実際の進み方は家ごとに異なります。
| 使用年数の目安 | 配管の中の様子 | 浴槽で見える変化 |
|---|---|---|
| 半年〜1年 | 内側に薄いぬめりがつき始める | ほとんど変化なし |
| 1〜3年 | ぬめりが厚くなり、湯あかが混ざる | 追いだき後にお湯がわずかににごる |
| 3〜5年 | 汚れの層がはがれ始める | 黒や茶色の小さなカスが浮く |
| 5年以上 | 汚れが固まり、流れが悪くなることも | カスが増え、においが気になる |
カスが浮くようになってから慌てて洗浄すると、最初の数回は大量の汚れが出てきて驚くことがあります。これは、配管の内側に何年分もたまっていた汚れがはがれ落ちている状態で、洗浄が効いている証拠でもあります。
汚れの正体は皮脂と湯あかと雑菌
追いだき配管の汚れは、体から出た皮脂、石けんやシャンプーの成分、水に含まれるカルシウムなどが固まった湯あか、そしてそれらを栄養にして増える雑菌が混ざったものです。
配管の中はお湯がたまりやすく、温度もほどよいため、雑菌が増えやすい環境です。雑菌は配管の内側にぬめりの膜をつくり、その膜に皮脂や湯あかが絡みついて、だんだん厚い汚れの層になります。この層がはがれて浴槽に出てきたものが、黒や茶色のカスです。
見た目の問題だけでなく、汚れがたまると、お湯のにおいが気になったり、肌の弱い方がかゆみを感じたりすることもあります。また、汚れで配管の流れが悪くなると、追いだきに時間がかかるようになり、ガス代の面でも損をします。
汚れがたまりやすい家の特徴
同じ年数でも、汚れのたまり方は家によって大きく違います。次の項目に多く当てはまるほど、汚れは早く進みやすいと考えてください。
- 残り湯を翌日以降も追いだきして使うことが多い
- 家族の人数が多く、長い時間お湯を保温している
- にごりやとろみのある入浴剤をよく使う
- 浴槽の穴のフィルターを、しばらく外して洗っていない
- 入浴後すぐにお湯を抜かず、翌朝まで置いておく
- 配管の洗浄を、これまで一度もしたことがない
反対に、毎日お湯を入れ替え、入浴後すぐにお湯を抜き、フィルターをこまめに洗っている家は、汚れがたまりにくい傾向があります。特に、浴槽の穴についているフィルターは、髪の毛や大きな汚れを受け止める役目があり、ここが詰まっていると配管の流れが悪くなって汚れがたまりやすくなります。週に1回程度、外して歯ブラシで洗うだけでも違いが出ます。
また、最近の給湯器には、お湯を抜いた後に自動で配管にきれいなお湯を流してすすぐ機能を持つ機種もあります。この機能がある場合は、設定が切れていないかを一度確かめてみてください。
市販の洗浄剤で自分で洗う手順
追いだき配管は、市販の風呂釜用洗浄剤で自分で洗うことができます。浴槽の穴が1つのタイプ(自動お湯はりの機種に多い)と、上下に2つあるタイプで手順が少し違うので、洗浄剤の説明書きもあわせて確かめてください。1つ穴タイプの一般的な手順は次のとおりです。
- 1. 浴槽にお湯を、浴槽の穴より5センチほど上までためる(残り湯でよい場合も多い)
- 2. 洗浄剤を入れ、よく溶かす
- 3. 追いだきを数分運転して、洗浄剤を配管の中に行き渡らせる
- 4. 止めて、説明書きの時間だけ置いて汚れを浮かせる
- 5. もう一度追いだきを運転し、汚れを浴槽に押し出す
- 6. お湯を抜き、浴槽の穴のフィルターを外して洗う
- 7. きれいな水をためて追いだきし、すすぎを1〜2回行う
すすぎをしっかり行うことが大切です。洗浄剤が配管に残ると、次の入浴の時に肌に触れることになります。また、酸性の洗浄剤と塩素系の洗浄剤を混ぜると有害なガスが出るので、続けて使う時は必ず十分にすすいでから切り替えてください。
頻度の目安は、汚れが目立たない家でも1〜2か月に1回程度です。残り湯を何日も使う家や、家族の人数が多い家では、もう少し間隔を短くするとよいでしょう。
業者に頼む配管洗浄との違い
自分で洗っても黒いカスが止まらない、長年手入れをしていなかった、という場合は、業者による配管洗浄を検討する方法があります。業者の洗浄は、専用の機械で洗浄液や水を勢いよく配管に流し、内側にこびりついた汚れの層ごと押し流すのが特徴です。
市販の洗浄剤が「汚れを浮かせて流す」のに対し、業者の洗浄は「水の勢いで削り落とす」力が加わるため、固まった汚れにも効果が出やすいといえます。費用は配管の長さや作業内容によって異なり、1回あたりおおむね1万〜3万円程度が目安で、浴槽の数や汚れの具合でも変わります。
ただし、業者に頼んでも、汚れは再びたまっていきます。1回きれいにした後は、市販の洗浄剤による日頃の手入れを続けることで、きれいな状態を長く保てます。
業者に頼む時は、洗浄の方法、作業にかかる時間、追加の費用が出る場合の条件を事前に確かめておくと安心です。給湯器が古い場合は、洗浄の水圧が部品に負担をかけないかも聞いておきましょう。
入浴剤と残り湯との付き合い方
入浴剤の中には、給湯器や追いだき配管に負担をかけるものがあります。メーカーによっては、にごりのあるタイプ、とろみのあるタイプ、硫黄を含むタイプ、塩分を含むタイプなどの使用を控えるよう、取扱説明書で案内していることがあります。使っている入浴剤が大丈夫かどうかは、給湯器の取扱説明書と、入浴剤の箱の注意書きの両方で確かめてください。
残り湯を翌日に追いだきして使う場合は、浴槽にふたをしてお湯の冷めを抑え、追いだきの時間を短くするのが、汚れと燃料代の両方を抑えるコツです。とはいえ、残り湯を何日も使い続けるほど配管の汚れは進むため、少なくとも1〜2日でお湯を入れ替えるのがおすすめです。
給湯器を替える時は、配管の状態も見てもらう
給湯器の交換は、本体を新しくする工事ですが、浴槽と給湯器をつなぐ追いだき配管は、多くの場合そのまま使います。配管の中に長年の汚れがたまったままだと、新しい給湯器にしてもカスが浮く状態は変わりません。
給湯器を替えるタイミングで、追いだき配管の状態も見てもらい、必要なら洗浄を合わせて行うと、すっきりした状態で新しい給湯器を使い始められます。お風呂そのもののリフォームを考えている場合は、追いだき配管ごと新しくできることもあるので、あわせて相談するとよいでしょう。
当店の給湯器交換は8.5万円〜(税込・工事費込み)で、最長10年の工事保証をお付けしています。大和市・藤沢市を中心に近隣の市町村まで、見積り・現地調査・出張費は無料で伺います。浴槽に浮くカスが気になる、給湯器も古くなってきた、という場合はまとめてご相談ください。
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
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